「やる前はネガティブな気持ちが消えなかったが、意外とそうでもなかった」。
こんな文言の奥に潜む思考の偏り、「インパクトバイアス」について解説。
対処法とあわせて、ぜひ最後までお読みください。
インパクトバイアスとは?
将来経験するであろう出来事に対し、感情の大きさや長さを過大に推測してしまう心理傾向。
- 夢を叶えれば、輝かしい未来が待つ
- 繁忙期を乗り切れば、不安が消える
- 定期検診を過度に恐れる
例えば、上記。
ある出来事の前に、「これに失敗したらすごく落ち込んで、ずっと引きずるだろうな」と思う。
ただ数年経てば、すっかり忘れるか、「そんなこともあったね」と気持ちが軽くなっている。
ポジティブな場合はそれほど達成感はなく、幸福感も長くはない。
ネガティブな場合は、それほど悲しみを引きずらず、悲壮感も長くはない。
ポジティブな出来事にしろ、ネガティブな出来事にしろ、最終的に「こんなものか」となります。
【インパクトバイアス】対処法
出来事の前と後の2つの局面で考えてみましょう。
出来事前
インパクトバイアスを小さくするために出来るのは、後々何が生じるかを見積もることでしょう。
何か失敗したら「〇〇になるな」。これは非常に厄介なので、「〇〇しておこう」。
何か成功したら「〇〇になる」。その後は必然的に〇〇が必要になるから、「〇〇を準備しておこう」。
ある程度「将来に何が起きるか」を予想の範疇とすると、将来の感情を過度に評価することも少なくなります。
何かしらの社会的身分になるなら、実際にその身分にいる人について調べておく。
すると、ある程度理想と現実のギャップが見えてきます。
出来事後
一言でいえば、「どう捉えるか」を考えます。
「こんなものか」と思ったら、またその感情を味わいたいか、または避けたいかを考える。
自分にとってそこまで大きな問題にならないなら、他の物事に注力していく。
大きな問題になるなら、そのための具体的行動や回避策を考える。
何かしら経験した後では、「その経験を今後どう活かすか」しか行動に移せません。
【インパクトバイアス】まとめ
どんだけ手を尽くしても、物事はどう転ぶかわからない。後になって出てくる批判や後悔も「結果論」です。
批判を過度に恐れるなら、「そもそもしない」という選択肢を考える。それでも「する」と決めたら、批判というリスクも抱え込む。
そのように1つ1つ行動を重要なものから決めていけば、将来の影響も受容できるようになっていきます。
自分の妄想を少しでも減らすため、自分が目指しているものはどういうものか、解像度を上げていきましょう。
では、また。