自分が作ったものに「高い価値を感じる、愛着を抱く」のはなぜか。
要因の1つである、イケア効果について解説。原因と合わせてぜひ最後までご覧ください。
メルカリで自分が売ろうとした値段と相場の乖離にも、イケア効果は表れています。
イケア効果とは?
自分の手を加えたものに、思いや愛着がのることで、価値を課題評価してしまう心理効果のこと。
イケア効果の発動には労働の成功(家具の組み立てが完了するなど)が必要です。
この予測はエフェクタンス(環境において望ましい結果をうまく生み出す能力)に対する人間の基本的欲求を実証する多くの文献に基づきます。
イケア効果の例としては
- 自分で作ったプレイリスト>音楽サイトのプレイリスト
- 知育菓子で自分が作ったお菓子>スーパーのお菓子
- 家庭菜園で作った野菜>スーパーの野菜
- プラモデルで作った商品>既製品のフィギュア
例えば、上記。
以下は、『The IKEA effect When labor leads to love』という論文で、イケア効果について述べられた箇所です。
労働が評価に与える影響については、顧客に生産コストを負担させることで、製品のコスト全体から労働の価値を差し引いた時点で支払い意欲が低下するという考え方もあるが、上記の例(割愛)は、人々が製品に自分の労働を吹き込むことで、その努力が製品の評価を高めることを示唆している。
労働の中には楽しいもの(甥と一緒にクマを作る)もあれば、製品のカスタマイズを可能にするもの(母校のロゴ入りクマを作る)もあり、これらはいずれも評価を高めるが、我々は労働の成果に対する好感度を高めるには労働だけで十分であることを示唆する。この現象を、組み立てが必要な製品が多いスウェーデンのメーカーにちなんで、「イケア効果」と呼んでいる。
【イケア効果】実験
実験の参加者に、折り紙を折ってもらい、プロが組み立てた作品と並べます。
参加者は作品を完成させた後、入札してもらう。実験の前には非作製者にも、同様の入札をしてもらいます。
結果、作り手の折り紙に対する評価は、作り手のいない人がこれらの作品に支払うことを望む金額のほぼ5倍に上りました。
そして、作成者は自分の折り紙に高い価値を見出し、専門家が作った折り紙に非作家が支払う金額とほぼ同じ金額を支払うことを希望した。
【イケア効果】原因
まず、人はある追求をすればするほど、それに価値を見出すようになる性質があります。
そして製品を組み立てることで、生じることとして
- その製品のポジティブな属性に関する思考、そして感情や感情移入が増加する。
- 商品を組み立てられることが自分の有能さと結びつく。
- 自分の創造物を他人に表示し、自分自身や他の人に望ましい属性を示せる。(有能さのアピール)
- またお金の節約で、「賢い買い物客」というポジティブな感情が誘発される。
上記の4つが生じ、それがイケア効果を誘発します。
【イケア効果】まとめ
論文で扱われた研究は、一般的に少額商品であり、より高額な商品でイケア効果が生じるかは定かではありません。
ただ必ず言えることは、イケア効果の発生には、必ず消費者を成功に導かなければならないということ。
よって企業は、タスクを完了できないほど、難しいタスクを作成しないよう注意する必要があります。
組み立て必要な商品が完成しないような状況(部品が壊れている、説明書が不親切など)は容易に腹が立つことは想像できます。
消費者の観点からすれば、「どこまで労働を引き受けるか」を考える必要がありそうです。
では、また。