感情との付き合い方において、1つの手法である「自己距離化」について解説。
アウシュビッツ収容所から奇跡の生還を果たした、ヴィクトール・E・フランクル。
彼が壮絶な日々から「自分を守る」ために行った「自己距離化」は、状況の深刻度は違えど、現代社会にも役立つはずです。
本記事では簡単に、意識づけを促す程度に留めます。
ぜひ、最後までお読みください。
自己距離化とは?
自分の心理状態を客観視するため、自分と感情、思考との間に距離を取ろうとすること。
感情に支配されているとき、その感情に囚われ、自己と一体化しているといえます。
感情と自分との距離が近すぎると、自分の状態を客観視できません。
その感情から解放されるには、自分と感情を切り離して考える必要があります。
自分を客観視できれば、思考や価値観などが固定化されることが防止される。
ストレスを引き起こすネガティブな感情を一旦脇に置くことができます。
アウシュビッツ収容所での経験
「自己距離化」の提唱者であるフランクルは、心理学者の経験から「ユーモア」の効用を把握していました。
そして収容所の辛い日々の体験から自分を維持するため、ユーモアを積極的に活用しようとしました。
それは「1日にひとつユーモアのある話を見つけ、話し合うこと」。刑務官にされた責め苦をネタにし、互いに笑い合う。
苦しいとき、不安なときにその感情が自己と一体化していると、「苦しむ状態」はずっと続きます。
そこにユーモアで「笑える状態」にする。自分を客観的に見つめ、外から眺めるようにする。
自分の置かれた状態を笑うことで、自分と感情との距離を置きます。
【自己距離化】まとめ
なぜ、感情や思考と距離を取って、客観的に観察する必要があるのか。それは、感情をどうにかしようとしても、逆に振り回されるから。
社会との付き合いはもちろん、日常の些細な行動まで、感情は付きまとう。
その感情との付き合い方1つで、次の行動が決まっていき、日常を形作っていく。
ならば、感情との客観的な付き合い方は、人生において避けては通れないといえるでしょう。
ぜひ、「自己距離化」の概念を頭の片隅に置いて、自分の心理的状態を客観視する癖をつけましょう。
では、また。