断捨離をしていても、あれもこれも大切と思って捗らない。
断捨離のコツを学んでも、思うように部屋が片付かない。
断捨離で片付かない原因は色々ありますが、例えば上記のような悩み。
もしかしたらこういった問題は、断捨離の方法や手段ではなく、自分の思考やマインドに問題があるかもしれません。
この記事では、モノを捨てられない心理的な要因の1つである「保有効果」について解説します。
あなたがモノを捨てられない意外な理由が見つかるかもしれません。ぜひ、最後までお読みください。
保有効果とは?
保有効果とは
自分が所有する物品や環境に高い価値を感じ、手放すことに抵抗感を感じる心理的効果。
厄介なのは保有期間が長いほど、損を感じやすい点です。あなたにも「愛着があるから」と、使わないのに保持しているモノがあるのではないでしょうか。
いざ手放そうと、フリマアプリに出品しても「こんなに安い」と驚くのも保有効果の1つ。
保有効果に関する実験
心理学者で、行動経済学の第一人者でもあるダニエル・カーネマンが行った「マグカップの価値」に関する実験があります。
ランダムに選んだ被験者において、半数にマグカップを与え、残りは与えない。
所有グループに「いくらでそのマグカップを手放すか」、残りの人には「マグカップにいくら払うか」と質問をする。
結果はマグカップを所有するグループは5ドル25セントに対し、所有していないグループは2ドル25セント〜2ドル75セントにとどまりました。
所有しているという理由だけで、価格が2倍近くも変わっており、「自分が思った値段で売れない」と思う原因はここにあるかもしれません。
保有効果に対する解決策
解決策は3つ。
- 取り戻すのにいくら払うか考える
- 自分にとってより魅力的な条件を探す
- 所有コストを考える
順番に見ていきます。
取り戻すのにいくら払うか考える
心理学者のトム・スタッフォードが提唱する方法で、「どのくらいの価値があるか?」と考えるかわりに、「まだこれを持っていないとしたら、手に入れるのにいくら払うか?」と考える。
「愛着があるからといってただの〇〇。赤の他人が初見で買うとしたら…」と自分の主観と切り離すように意識する。
自分にとってより魅力的な条件を探す
捨てられないモノと同種で、より高機能、高性能な商品に置き換えるのも1つの手になります。
自分が所有しているモノより、市場には優秀な商品が数多くあることに目を向けます。
ただ、この手法は「別段、使用に関して不満がない」と考える場合は効果が薄くなる。
それは客観的なメリット(丈夫、取り回しがよいなど)で主観的なメリット(愛着が湧いている、思い出の品など)を上書きできないから。
物理(機能)的に使用者が受け取る便益を、機能的便益(ハサミなら切れる、シャンプーなら髪がキレイになるなど)と呼びますが、そちらを重視すると自分の気持ちと整理がつきやすくなります。
所有コストを考える
そのモノがあることに対し、失われている物事に目を向けます。
- 物理的なスペース
- モヤモヤしている時間
- 断ち切りたい関係や過去の苦い思い出
例えば上記。
モヤモヤしている時点で、踏ん切りがつかない状態です。これからの新しい環境や新しい自分といった、未来に目線を向けてみると良いでしょう。
【保有効果】まとめ
保有効果はマーケティングにも用いられるほど強力な心理効果です。お試し期間や貸出サービスは、とりあえず使わせることを第一に、あなたに保有効果を抱かせます。
そして、自分にとって必要不可欠なものと思ってもらい、継続的な商品購入につなげます。
私たちにできるのは、所持品に対して情緒や気持ちを優先にしつつ、その気持ちが重荷となっていないか、確かめることではないでしょうか。
では、また。