お金やご褒美など、モチベーションを上げる道具が必ずしも効果的でない理由、「過剰正当化効果」について解説。
せっかく報酬を上げたのに、効果が低い
自分にとっては大きなプレゼントを用意しているのに、相手が行動しない
このような経験の裏にある心理効果です。さらに原因や対策についても解説しています。
是非、最後までお読みください。
過剰正当化効果とは?
「これはやるべきだ」「達成したい」など自分から始めた行動したことに対し、「ご褒美を与える」「お金が発生する」などの外からの動機付けで、やる気やモチベーションが削がれてしまう心理現象。
- 監視
- 締め切り
- 評価
- 罰則
競争
例えば、上記で自分のやる気が削がれていきます。
報酬(お金や評価)を用意する
行為者は行動すること自体が報酬(楽しい、やりがいなど)だったのに、求める対価(価値)が置き換わる
結果的にやる気やモチベーションが低下してしまう
趣味が仕事(報酬がもらえる)となると、以前より楽しくなくなるなどが典型例。
報酬が提供されなくなると、その活動への関心は失われ、行動を継続的に行わせるためには、報酬を継続的に提供しなければならなくなります。
メリットとしては、元々やる気やモチベーションが低い場合、報酬はモチベーションを上げます。
【過剰正当化効果】原因
一言でいえば、人は自発的に行動したい欲求を持つから。そのとき、重要なのは2つ。有能感と自己決定感です。
有能感とは
自分がが環境に対し、働きかけられる実感
自己決定感とは
自分の行動を、自分で決められるという実感
報酬や評価などで、外の評価が目的になると、「やらされている」感が強まってしまいます。
【過剰正当化効果】対策
内発的な動機づけと外発的な動機づけのバランスを取ること。どちらかに偏っても不満は生まれます。
締め切りや人事評価は避けられないとしても、主体的に意思決定をできるように環境を作っていく。
またモチベーターは、「褒める、期待する」などの言語による働きかけを重視します。
その際に結果ではなく過程や努力を誉めること、また人前で誉めるとより効果的です。
すると相手の有能感や自己決定感が高まり、やる気やモチベーションに繋がります。
【過剰正当化効果】まとめ
「テストで〇〇点を超えたら、ご褒美を用意する」というモチベーションの上げ方は、即効性はあります。
しかし、継続的に行わなければ、「今回はご褒美はないのか」と相手のモチベーションが低下。
そして「勉強する理由」において、一番重要な本来の目的を失わせます。
しかし、これは勉強だけに限らず、相手にさせたい行動全般にいえます。
モチベーター側は、「なぜその行動、行為をさせるのか」を考える。相手に言うかは別として掘り下げる必要があります。
自分でも「なぜその行動をするのか」がわからなければ、相手が納得できるわけがない。
- 「決まりだから」
- 「これが長年のルールだから」
- 「ずっとこれで上手くいっている」
上記のような言葉を、再考する必要がありますね。
では、また。