「2回戦で敗退するなんて、今までの練習は何だったんだ」
「プレゼンに失敗したのは、事前の準備が悪かった」
以上に潜む「信念バイアス」という単語について解説。
用語の意味から、原因と対策について記載しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
信念バイアスとは?
結果が正しければ、過程も正しい、と思い込む、または結果が間違いなら、過程も間違い、と思い込む効果。
信念バイアスは、以下のデメリットを生じさせます。
- 正しい評価ができない
- 事実が捻じ曲げられる
- 問題の所在がどこにあるか判断できない
自分は間違ったことに対して納得するので、そこから派生する判断や評価は、当然違うものになります。
そして、結果(売り上げやテストの成績など)が上向いているので、原因分析も失敗したときよりもされにくい。
次回、同じような状況に直面したときも、その方法を選択する可能性が高い。
そして、それは正攻法とはいえない(まぐれ)なので、今度は失敗する可能性が高くなる。
一番の問題は、結論のもっともらしさにつられ、過程を無視した安易な判断にあるといえるでしょう。
【信念バイアス】原因
一般に言われているのは、二重過程モデルと呼ばれるもので、人の思考には2つのモードがあるとされます。
システム1 直感的思考(気分、感情、印象に基づいた判断)
システム2 論理的思考(論理や確率に基づいた判断)
システム1は、自動的に素早く行われますが、システム2は処理に時間がかかります。
信念バイアスは本来、システム2で時間をかけるべき処理を、システム1で処理してしまうことで起きます。
自分の考え(信念)が結論と合っているかは、人はすぐに判断できます。
ただ結論に至るまでの過程や論証が正しいのか、間違いなのかは、判断に時間を要します。
そこで過程の妥当性と信念の妥当性がぶつかった際に、人は信念を基準として判断しやすい。
以上から信念バイアスは、論理的には正しく、信念に反する主張よりも論理的には間違いだが、信念には合致する主張を信じやすい傾向とも言えます。
【信念バイアス】対策
まず、結果と過程は別物と考える。ただ、過程があって結果が生じているので、まったく無視はできません。
結果をことさら重視するのではなく、過程も重視する。そこで「この点は良かったけど、ここは修正」と、分解していく。
そうすると結果に対して、有効だった点、ダメだった点がわかります。(問題分析)
指摘された側も、次回の改善につながって、モヤモヤも晴れるでしょう。
一連の対策は、しっかりと時間をかけることともいえます。
信念バイアスが、システム2で考えるべきことを、システム1で処理していることが原因なら、システム2に切り替えていけばいいでしょう。
【信念バイアス】まとめ
そもそも、結果が重視されるのは、過程についての情報不足からあります。
専門家やその道のインフルエンサーがおすすめするなら、「きっとその商品はいい」と思う。
そもそも、「なぜ、その商品がいいのか」(過程)が説明できるなら、信念バイアスには陥りません。
とはいえ、信念バイアスは「システム2で考えるべき問題である」ことが前提条件。気分や直感で判断するものではない。
となると、「まず、この問題は深く考えるべきものなのか」という判断が何より大事になります。
一例ですが、サービスなら質、商品ならこだわり、プレゼンなら重要度とのバランスになるでしょう。
そういったバランス感覚を大切に、どこまで過程を掘り下げるかが、信念バイアスを軽減する上で大事になっていくでしょう。
では、また。