テスト前に「昨日、全然勉強してない」、または仕事中に「昨日夜遅くまで飲んでいた」と言いふらす人に見られる「セルフ・ハンディキャッピング」について解説。
種類や克服法についても解説しています。ぜひ、最後までお読みください。
セルフ・ハンディキャッピングとは?
自身の行動の失敗が予想されるとき、自ら積極的に障害を準備して不利な状況を作り出し、失敗した際の言い訳、正当化を準備すること。
アメリカの心理学者、エドワード・ジョーンズとスティーブン・ベルグラスによって提唱されました。
なぜわざわざ自分にハンデをつけるのか?
- 自尊心を守る
- 外的要因(対人、環境)のせいにする
- より大きな満足感を得る(ハンデを乗り越えているため)
例えば、上記。一概に失敗したときのダメージを小さくする
セルフハンディ・キャピングは一時的にはメリットですが、長期的にはデメリットしかない。
- 行動する意味がなくなる
- 成功確率も減る(自分を守ることを優先)
- 周りの印象が悪くなる(言い訳ばかり)
行動する意味がなくなるのは、フィードバックを得られない、内省しない(外部要因のせいにする)から。
【セルフ・ハンディキャッピング】2つの種類
大きく分けて、獲得的(遂行的)セルフ・ハンディキャッピングと主張的セルフ・ハンディキャッピングの2種類がある。
獲得的(遂行的)セルフ・ハンディキャッピング
自ら障害を課し、不利な状況を積極的に作り出すこと。
- 体調不良になろうとする(飲酒、徹夜など)
- 試験前日の掃除やゲーム
- 仕事を大量に抱え込む
例えば上記。万全な状態では言い訳が少なくなる(とはいえ、試験内容が難しかったなどは言える)。
主張的セルフ・ハンディキャッピング
あらかじめ予防的な発言をし、自分は「困難な状況である」と周りに主張すること。
- 全然勉強してない
- 体調が悪い
- 自信がない 苦手だから
例えば、上記。
このとき、「実際に行動しているか」は関係ありません。周りに吹聴した時点でセルフ・ハンディキャッピングは成立します。
【セルフ・ハンディキャッピング】克服法
大きく分けて2つ。「認知を変える」「環境の整備」です。
認知を変える
認知とは、物の考え方や捉え方。この場合の認知は「得がないことを自覚する」こと。
セルフ・ハンディキャッピングは基本的に状況は好転せず、気休めな場合が多い。
自分がセルフ・ハンディキャッピングをしていると感じたら、「成功したら起こること」「失敗できない理由」を書き出す。
未来に対してより解像度を上げると、漠然とした不安な状態も和らぎます。
その結果、「別に失敗してもいい」ならそれで問題なし。
環境の整備
セルフ・ハンディキャッピングをしたところで、意味がないところに身をおく。
言い換えれば、否定的に捉えられる場所に行く。
言い訳や正当化が通じないなら、「とりあえず最善を尽くそう」と頭が切り替わる。
どうせ言い訳しても無駄になる、ただ状況は変わらない(テストは避けられないなど)なら自分の認知も変わります。
【セルフ・ハンディキャッピング】まとめ
セルフ・ハンディキャッピングとは、自身の行動の失敗が予想されるとき、自ら積極的に障害を準備して不利な状況を作り出し、失敗した際の言い訳、正当化を準備すること。
これは「自尊心を守る」ために行われるので、克服は難しい。「言い訳しがちな相手」というものを変えるには一筋縄ではいきません。
「セルフ・ハンディキャッピングをしたところで、後々面倒になるのはあなた」ということを遠回しにでも相手に伝え、相手に危機感が出るのを待つ。
最終的には、そこに期待するしかない。私たちとしては、働きかけしか出来ません。
相手の問題として捉え、手助けできる範囲は相手の成長を止めないとこまでにするとしましょう。
では、また。