「勉強しなさい」と親に言われれば言われるほど、「誰がするものか」と思う経験はないでしょうか。
そんな「やりすぎると逆効果になる」心理的作用、ブーメラン効果について解説。
対策と併せて、ぜひ最後までお読みください。
ブーメラン効果とは?
ブーメラン効果とは、ある行為をすればするほど、相手に反発されて逆効果になること。
- 説得すればするほど従わない
- 説教すればするほど行動が直らない
- 宣伝すればするほど効果が低くなる
- 褒めれば褒めるほど否定する
- 好意を示すほど嫌われる
例えば、上記。
ブーメラン効果が起こる理由は、一言でいえば、自分の自由が奪われるから。
このときの自由は、自分の意見を言うこと、行動を選択すること、自分の価値観や信念を主張できることなど多岐にわたります。
それらが封じられようとすれば、反発したくなるのは必然といえるでしょう。
私たちは自由が脅かされたり、奪われたりと感じると、必死に回復しようとします。
恋愛では、追うほど、逃げられます。
政治では「清き1票を」と言うほど、票が投じられません。
ビジネスシーンでは自社が支援した会社が将来、自社のライバルとなってしまうことが考えられます。
【ブーメラン効果】対策
対策として考えられるのは以下の3点。
- 主導権はあくまで相手に持たせる
- 妥協案を模索する
- 信用度、親密度を高める
順番に見ていきます。
主導権はあくまで相手に持たせる
相手に「自由が奪われている」と感じさせるなら、「あくまで選択の主導権はあなたにある」「我々はあなたの自由を奪う気はありません」と示す必要があります。
例えば、あなたは今の相手の現状を肯定する。
「いやいや、そんなことはありません」と謙遜される。
「何かお困りですか」と相手の悩み、障害を聞き出す。
相手が答える。
こちらが悩み、障害を解決できることを示す。
一連の流れは、自分が相手に合わせる形で行われています。
自分からは主張せず、あくまで課題解決側に徹する。
相手に選択の自由を与え、意思に任せる姿勢を忘れないように注意しましょう。
妥協案を模索する
相手の背景、事情を考えます。例えば勉強なら
- 勉強する意味がわからない
- ゲームの方が楽しい
- 偏差値ばかり求められるのがうざい
上記のような理由が考えられます。こちらの妥協案としては
- 〇〇分勉強したら、〇〇分ゲームしていい
- 勉強すると、ゲームの背景知識がわかるので、よりゲームが楽しくなると伝える
- 偏差値だけでなく、頑張りを見る
こちら側も妥協できる点は妥協して、折衷案を考えます。
相手が行動しない理由は、こちら側にも何か理由があるかもしれません。
自分の中でどこまで最低ラインで、「ここまではしてもらいたい」という射程を考える。
自分が押し付けられたら、反発する。なら相手も同じ。
過程が二の次でいいなら、とにかく行動してもらえる手立てを考える方が建設的です。
信用度、親密度を高める
相手を信頼していればいるほど、ブーメラン効果は低減します。
これは感情ヒューリスティックと呼ばれるもので、相手への好き嫌いの感情で、意思決定が行われます。
相手に好意があると、例え行動変容を促されても、反発する気持ちが薄れます。
【ブーメラン効果】まとめ
自分のある主張が通じないなら、別の施策を考えるといいでしょう。一方的な主張は、今回紹介したブーメラン効果に繋がります。
相手が「自分の主張のどこが気に入らないのか」を考えるだけで、十分物事は進展していきます。
もしかしたら自分の主張がそこまで意固地になるのも、何かバイアスにかかっているかもしれません。
自分の主張の根拠をしっかりと考えると、意外と自分に落ち度があるかもしれませんね。
では、また。