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【失敗から学ぶ】反事実的思考とは?意味や機能、訓練法について解説

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「あのときこうしていれば」

「しなくてよかったのか、助かった」

 

上記のような思考を、心理学では「反事実的思考」と呼びます。

 

この概念は、同じ過ちを繰り返さないことから、他者との相互理解まで、幅広く人生に関わります。

 

本記事では、言葉の意味から機能、効率的なやり方&訓練法まで解説。

 

ぜひ、最後までお読みください。

 

 

 

反事実的思考とは?

 

自分の異なる決定から、実際の事実とは違う別の過程や結果、代替案を想像すること。

 

別名、反実仮想と呼ばれます。

 

反事実的思考は、大きく分けて「〇〇しておけばよかった」など、状況がよくなっていたことを想像する上向きなもの。

 

これは後悔を生み出し、それ自体が偏った判断と意思決定を強調します。

 

そして、「〇〇しといてよかった」など、さらに状況が悪くなっていたことを想像する、下向きなものの2つに分けられる。

 

想像、代替案が自分にとって評価が高いか低いか、または望ましい未来かそうでないかで、上向きか下向きか決まります。

 

反事実的思考の多くは、後悔

 

基本的に、遠い過去と近い未来では下向きな反事実的思考、近い過去と遠い未来は、上向きな反事実的思考が生まれやすい傾向にあります。

 

  • 近い過去:「先週買い足しておけばよかった」
  • 遠い過去:「この道を選んだから、今の自分がある」
  • 近い未来:「先週買い足しておいてよかった」
  • 遠い未来:「この道を選んでいなければ」

 

例えば、上記。

 

【反事実的思考】機能

 

ただよくよく考えると「〇〇しておけばよかった」「なんで〇〇してしまったんだろう」と後悔の念を抱かせるものが、なぜ人間には備わっているのか。

 

わざわざネガティブになる。

 

反事実的思考の機能は、研究で様々言われますが、一言でまとめれば「学習」に他なりません。

 

将来的に同じような場面に遭遇した場合、後悔しないため、または欲を満たすために反事実的思考は行われます。

 

  • 将来的なリスクを回避する
  • 不愉快な状況(失敗など)を避ける
  • 再び起こらないように対策する

 

例えば、上記。

 

特に毎年行われることがわかっている学校行事などは、反事実的思考が行われやすい。

 

1回限りでは、行う意味がない。

 

また反事実的思考は、対人関係において他者に対する立場や態度の再考を促せます。

 

「相手がされたらどう思う?」が典型例でしょう。

 

【反事実的思考】効果的なやり方

 

上向きな未来を想像する場合

 

「○○をしておけばよかった」などを想像したときに着目するのは、あくまで「改善可能な自分の行動」のみ。

 

「こいつがこれしてれば」

「こいつが余計なことしなければ」

 

事実に対しての振り返りで、上記のようなものは、無いものねだりで終わる。

 

上向きな未来に必要な協力において、「この人が〇〇するには、どのように働きかければいいか」。

 

あくまで自分の行動として、何すればいいかを考える。また、上向きな未来は複数個想像しましょう。

 

1つだけだと、「今の不満への解決策も1つだけだった」と思い込んでしまう傾向にあります。

 

そしてその1つの事実に対し、自分で都合よく認知を歪ませてしまう。例えば、「この方法しかなかった」「仕方がなかった」というものです。

 

これは、後知恵バイアスと呼ばれる。

 

 

外的要因も考慮に入れる

 

とはいえ、我々は自分1人で物事を成し遂げられることは少ない。どうしても環境や運の要因も避けられません。

 

なので、しっかりと「〇〇のケースがあるのではないか」「相手の要望として何があるか」などを考える。

 

そして、出来るだけ自分のコントロール内に落とし込めるように、具体的行動で何ができるかを、できれば紙に書き出しておくといいでしょう。

 

下向きな未来を想像する場合

 

「〇〇にならなくてよかった」などは、安堵の気持ちを抱かせますが、次回もそのようになるかわかりません。

 

なので、「次もそれをなんとか回避しなければ」という意識を持つようにするといいでしょう。

 

人は利益より損失を回避したい心理傾向にあるので、下向きな思考の方が、モチベーションにつながりやすい。

 

自分が被りそうなネガティブな事実を潰すため、常日頃から「何が準備できるか」を考えていきましょう。

 

【反事実的思考】最適な訓練法

 

結論からいうと、読書です。

 

「このような結果があったのではないか」と思いつくには、相手側に立って想像力を膨らませなければなりません。

 

当然、自分と相手ではバックボーンが違う。だからこそ、反事実的思考は難しい。

 

経験していないことの想像は難しい。

 

読書は、フィクションでもノン・フィクションでも、「自分の世界とは違う場所」に強制的に連れ去られる。

 

そして、主人公や第三者目線で物事を捉え、自分とは違う思考や経験をしていきます。

 

この過程は、反事実的思考に他なりません。擬似的でも「読書体験」は大きな力となります。

 

  • 「〇〇という職種はこのような苦労がある」
  • 「〇〇というステレオタイプにはこのような問題がある」
  • 「〇〇時代はこのような背景がある」

 

上記のような理解は、自分の視野を広げ、視座を上げてくれるでしょう。

 

【反事実的思考】まとめ

 

反事実的思考は、自己肯定感を持つかどうかで効果が変わります。言い換えれば、「現状の自分をしっかりと肯定しているか」が重要です。

 

反事実的思考は、「〇〇しておけばよかった」という上向きなものが多い。そして、そのような後悔は、自分を苦しめます。

 

過去は変えられないことを自覚し、現在の自分は「何を持つか」に自覚的になる。自己肯定感が将来の行動にもたらす影響は大きいです。

 

その上で、反事実的思考で将来のリスクを減らし、自分の追求したいものに全力を傾ける。

 

自分の選択肢を拡げる上でも、ぜひ反事実的思考を癖づけるようにしましょう。

 

では、また。

 

 

 

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