モノの購入において、満足感をもたらすカギとなる「地位財と非地位財」について解説。
この用語を意識するかどうかで、モノにかかわる失敗が減り、ひいては賢いお金の使い方にも繋がっていきます。
付き合い方と併せて、ぜひ最後までお読みください。
地位財と非地位財とは?
経済学者のロバート・フランクが『幸せとお金の経済学』で提唱した考え方です。
地位財とは
他者との比較で満足が得られやすいもの
- 所得
- 財産
- 社会的地位(役職など)
- 物的財(マイカー・マイホームなど)
例えば、上記。
非地位財とは
他者との比較に関係なく、それ自体に満足が得られやすいもの
- 休み
- 愛情
- 友情
- 健康
- 自由
例えば、上記。
地位財は他者との比較が必要なことから、一過性で、幸福感の持続性は短いという側面があります。
非地位財は、自主性しか問われずにコントロールがしやすいので、ストレスが少ない。幸福感の持続は長めです。
【地位財と非地位財】付き合い方
地位財を求めて、働きすぎては体を壊す。しかし非地位財を追い求めすぎては、その事柄は遠のいていく。
自分より他者を優先した結果として、友情や幸福感が後からついてくる。非地位財はあくまで「結果的に」獲得します。逆はありません。
では、地位財と非地位財とどう付き合うか。それはご褒美に地位財を使い、目標に非地位財を使うということ。
しかしこれは社会的に普通に行われていることです。昇進という地位財の付与で、休みがとりやすくなったり、異性への魅力的な条件になる。(非地位財の獲得)
人の行動原理である、欲の追求と損失の回避を同時に満たすので、その形に自然とおさまることに特別な理由はありません。
社会的に組み込まれている以上、個人としては特別、行動する必要はありません。
【地位財と非地位財】個人としての行動
個人としての行動は2つ。
現状把握
比較を限定的にする
順番に見ていきます。
現状把握
言い換えれば、「今、非地位財として何があるか」を考えること。
自分にはこれだけの人間関係があり、そもそおも五体満足で、大きな病気もない。
これは、大病を患った方や人間関係で大きな失敗をした人は、尚更自覚的になるでしょう。
非地位財に自覚的になればなるほど、恐らく感謝の念が湧き、幸福感を感じやすい。
そして、維持&発展させるために、地位財をモチベーションを上げるための道具にする。
満足だけで終わっては、特別行動を起こそうという気にはならない。だが、少しでも非地位財の維持のための行動が必要です。
なぜなら非地位財は、地位財である所得と不可分に結びついているから。
比較を限定的にする
「他者との比較は幸福感を下げる」と一般的に言われますが、少し違います。比較で、やる気や負けん気が発現するなら問題ありません。
他者に認められたい
他者より劣った状態になりたくない
上記は、程度の差や意識的かそうでないかの差はありますが、万人に共通です。これは他者比較の賜物といえます。
避けるべきは、「他人と比べたときに劣等感が生じること」。ネガティブ思考、ネガティブな気持ちはどうしても、前向きな行動が誘発されにくい。
「他者比較で前向きな気持ちが生じるか」を1つ試してみるといいでしょう。
【地位財と非地位財】まとめ
結論としては、地位財を追求しながらも、最終目標は常に非地位財を追求するとなるでしょう。
その際のポイントは何より、利他です。自分の利益は後回しにしたほうが、結果的に利己的な欲望を満たせる。
「俺が俺が」となる人に対する不快感は、誰でも拭えません。こればっかりはしょうがない。
「非地位財で何を大切にし、そのためにどのような地位財が必要か」を考えることが、幸福感を左右する1つのカギではあるでしょう。
そのとき大体が、何を重視するにしても「お金は必要」となるのが少し寂しいところですが。
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では、また。