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【95%OFFの罠】アンカリング効果の意味と対策について解説

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「〇〇%も安いからお買い得」と思う人に共通する心理、アンカリング効果について解説。

 

また、購買行動に伴うアンカリング効果への対策も記載しています。

 

ぜひ、最後までお読みください。

 

 

 

アンカリング効果とは?

 

最初に示された数字や条件(アンカー)が基準となり、その後の意思決定に影響が出てしまうこと。

 

アンカーとは日本語で「いかり」を意味し、アンカリングはいかりを下げて船をつなぎとめること。

 

すると船は身動きの取りにくい状態になります。

 

人の判断もこのように最初の印象に引っ張られ、柔軟な発想がしにくくなってしまう。

 

自分がある状況で無知なとき、まず最初に手にした情報が基準点となり、その後の情報が基準から「良いか悪いか」が判断されやすくなります。

 

アパレルショップに入店し、大きく展示されている商品の価格をまず最初に見る(基準点)。

 

その後で店内を見回ると「これ高いな」「これ安いな」と、最初の店頭価格が自分の購買行動を左右します。

 

不動産業者に住宅の資産価値を推定させる実験でも、ヒントとして与えられた販売価格の情報が参加者の判断に影響を与え、アンカリング効果が認められました。

 

アンカーは意味情報(人によって解釈が違う情報)が提示されている場合は効果が弱く、数字(解釈が偏りにくい)である場合に効果が強いです。

 

【アンカリング効果】例

 

買い物、遅刻、株取引の3点で見ていきます。

 

買い物

 

「通常価格より〇〇%OFF」が典型例。

 

通常価格(アンカー)と値下げ後の値段を比較すると、値下げされた商品がとてもお得に感じられます。

 

背景には「元々の値段が高いのだから、値引き後の値段がお得である」と、消費者に思わせることにあります。

 

該当商品が通常価格ほどの価値があるかはわかりません。半額でも相場より高いかもしれない。

 

ZOZOTOWNの95%OFFは強烈なアンカリング効果を狙う

 

  • 先着順
  • 本日限定
  • 早い者勝ち

 

以上のような単語も「買うなら今日買わないと」と消費者の購買意欲を高める。

 

「最初に見た商品が印象に残り、最終的にその商品を購入した」という経験は、あなたにもきっとあるでしょう。

 

そしてそこには、わざわざその商品でなければならなかった理由を巧妙に隠します。

 

同じような例として営業の際、見積書の中に「特別値引き」という項目を設ける。

 

合計金額からあえて値引きした金額を表示することで、お得感を演出しています。

 

遅刻

 

待ち合わせで「1時間遅れる」とLINEでくる。そんなときに相手が30分遅れで到着。

 

あなたが「思ったより早くきたね。よかったよかった」と思えば、アンカリング効果に引っ張られています。

 

それは「30分遅刻した」という事実は変わらないからです。

 

株取引

 

取引の際、過去の情報(アンカー)をもとに「その銘柄が上昇(下落)し続ける」と考える傾向があります。

 

底(価格が現状一番安いとき)から、近い将来反転(価格が上向く)だろうと思うことも、同様。

 

上記がアンカリング効果と思われるのは、取引の際に見るべきなのが、本来その企業の価値だからです。

 

【アンカリング効果】対策

 

アンカリングに引っ張られても、後々「良い買い物だった」と思えれば問題ない。

 

しかし、それで失敗(後悔)してしまうのも事実。

 

ポイントは本質を見極める癖をつけること。

 

ここからはサブスクリプション(月額課金サービス)を例に話を進めます。

 

手順は、自分を先立たせる→比較材料を用意する→他の使い道を考えるです。

 

なんでこんな面倒な工程を踏まないといけないの?

 

アンカリング効果に代表される認知バイアスは基本的に「考えたくない」の裏返しだから

 

わざわざ複雑な過程を踏むことで、アンカリング効果を軽減させます。

 

自分を先立たせる

 

理由は、他人にとってのメリットが自分にとってのメリットとは限らないから。

 

この商品(サービス)がなぜ必要か。そもそも払うべきなのか(いるのか)。

 

そして「最低でもこの機能がないと困る」という点をピックアップします。

 

ここまでの主語は全て自分です。ここに他者(口コミや会社の売り文句)は介在させないようにしましょう。

 

世間で話題になっている「〇〇」という動画配信サービス。何となく周りの人がしている。そういえばお隣の〇〇さんにおすすめされた作品があった。

 

これで契約したのでは、自分がありません。

 

人に勧めらていても、この作品を見ないと会話についていけないし、その話がしつこいなど、自分の利益から判断すればよいでしょう。

 

口コミやレビューは後回し。そのサービスがちゃんと機能するか、運営の姿勢に問題がないかなど「商品(サービス)の機能面」には判断を加えない。

 

比較材料を用意する

 

作品がその配信サービスしかなければ問題ないですが、サービスの質に対して、価格が相場より高いかもしれない。

 

  • 料金
  • 映画タイトル数
  • オリジナル作品数
  • 同時視聴端末数

 

動画配信サービスでは、以上などが比較できます。

 

他の使い道を考える

 

その値段で出来る、他のことに目を向けましょう。

 

動画配信サービスの相場は1000〜2000円です。

 

  • 本1冊
  • 食事1〜3回分
  • 毎日のコーヒーの容量アップ

 

満足度(経済学でいう効用)を考えます。満足度を上回るものが、他に考えられなければ問題ありません。

 

とはいえ、この過程は意識的に行われていることが多い。サブスクほどの値段では考えなくても、1万円くらいなら他にできることを検討するのではないでしょうか。

 

【アンカリング効果】まとめ

 

業界に精通したプロフェッショナルでさえ、アンカリングの効果を受けるので、素人がその影響から逃れるのは至難の技。

 

影響を軽くするには、対策の項目で述べた「意図的に難しく考える」か「知らないものには手を出さない」が有効でしょう。

 

無知なら、最初の情報に引っ張られるのは当然。なぜならそこから出発しなければ、思考を積み重ねられない。

 

自分が興味を持たない限りは「合理的無知」(知らないほうが色々と考えない)を貫くべきでしょう。

 

 

出発点はあくまで自分です。「他人にとってのメリットが自分にとってのメリットとは限らない」。この言葉を肝に銘じておくといいでしょう。

 

では、また。

 

 

 

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