- 「せっかくだから」
- 「もったいない」
- 「次こそは」
上記のように人が感じてしまう心理傾向、「サンクコスト効果」について解説。
対応策と合わせて、ぜひ最後までご覧ください。
サンクコスト効果とは?
まずサンクコストとは、経済学用語ですでに支払いが終わり、回収不可能である費用を指します。
ここで言うサンクコストは
- 金銭
- 時間
- 労力
例えば、上記が当てはまります。
サンクコスト効果は、そういった費用を何とか取り戻そうと、より損失となるような投資を継続しまう心理傾向です。
【サンクコスト効果】例
サンクコスト効果の例として、第一に上げられるのは、超音速旅客機コンコルドの商業的失敗があります。
コンコルドは、従来の最速旅客機に比べ、約1.7倍の速度で運行出来ます。
しかし定員の少なさ、燃費の悪さ、使用できる空港も限られており、収益性が低いことは開発段階から判明していました。
それでも、すでに多額の投資をしており、いったん動き出した計画を途中で止めることも憚られ、運行を開始しました。
その結果、収益性も改善されないまま、更なる赤字に追い込まれることになりました。
身近な例では
- 「せっかく入会したからには行かないと」
- 「今から行列を向け出すのは、もったいない」
- 「前もって料金を払っているから」
上記の文言にサンクコスト効果が表れているでしょう。
【サンクコスト効果】対応策
よくある対応策は5つありますが、実質的に1つです。
まず、「実行できたら効果はあるかもしれないが、それが出来れば苦労しない」が4つ。
- 第三者に相談する
- データ、数字を見る
- 0ベースを考える
- 上限を決めておく
第三者に相談する
あえて「それおかしいよ」と言ってもらう。忌憚のない意見を貰う。
ただ、サンクコストの事例は、自分も多少は自覚のある「失敗」に他なりません。
自ら勧んで開示しようと思うでしょうか。自ら非難されることを望むでしょうか。
中々、「確かにそうですね」と記事を読んで、実行に移しにくい。
データ、数字を見る
「この数字に届かなければ、撤退する」
「〇〇というデータが出てきたので、撤退すべき」
それで素直に撤退できれば、苦労しません。
コンコルドの事例は、「収益性が見込めない」ことを運行前からわかっていました。それでもサンクコスト効果から逃れられなかった。
「あと少ししたら結果が出るかもしれない」という誘惑を振り切ることは、難しいのではないでしょうか。
上限を決めておく
撤退ラインを設定することも、「あと少ししたら結果が出るかもしれない」という誘惑を振り切ることが難しいと思う。
株式市場において「損切り」(損失を確定させる行為)があります。この状況で「自分が損している」ことは当人が一番わかっています。
それでも、「失敗を素直に認めたくない」という心理が働いて、撤退できない。
この事例から撤退ラインを設定しても、中々実行に移せないことがわかります。
0ベースで考える
「計画が白紙になったら」「入会する前に戻ったら」と思考することで、今の状況を振り返る手法です。
そこでやめられれば確かに良いですが、今までの投資に対する後悔と、後々利益を逃すとその後悔も付き纏います。
そもそも今までの状態を0にして考えることも難しいのに、そこから新たな行動に対して実直に動けるほど、人間は単純ではありません。
では、どうすればいいか。最後の1つである「機械費用」を考えましょう。
機会費用を考える
機会費用とは、ある選択をしたために、失った機会のこと。
- 仕事を取れば、余暇が減る。
- 友人の用事を取れば、家族と過ごせない。
- 大学に行くと就職できない。
例えば上記。サンクコストが生じている間、失われている機会は何かを考える。
そもそもサンクコスト効果は成功するか、失敗するか、ギャンブル性が高い状態に置かれています。
それよりは、自分にとって実入りが大きい(失敗が少ない)機会は、存在してもおかしくない。
人は失敗を回避したがる傾向(損失回避性)があるので、サンクコストは別の機会を失うことと同義です。
「〇〇できたのに」と強く後悔するような機会費用を考えることで、サンクコスト効果を回避するような動機付けが生まれます。
【サンクコスト効果】まとめ
回収不能な過去の出来事なら、早々に見切りをつけることが賢明とはいえ、中々行動に移せなるものでもない。
断ち切るには、今の損をしている状況から「早く脱却しなければ」と思わせるような別の選択肢を作り出していく他ありません。
何よりも機会費用を考える。そこから、第三者への相談や0ベースの思考が役に立つでしょう。
意志の力ではなく、人間元来の特性でもある「損をしたくない」と言う部分を自分の中で大きくしていくと、次の1歩に踏み出していけるでしょう。
では、また。