最後に一番ド派手な演出や、重要なメッセージを持ってくる理由である「ピーク・エンドの法則」について解説。
人の記憶に関し、重要な概念となる法則です。この記事では意味、実験、対策について解説。
ぜひ、最後までご覧ください。
ピーク・エンドの法則とは
人は出来事に対し、最も感情が高まったとき(ピーク)の印象と、最後の出来事(エンド)の2箇所だけで、全体的な印象を決定する傾向。
心理学者・行動経済学者のダニエル・カーネマン氏によって提唱されました。
- 映画のラストシーン
- 行列に並んだ際の「楽しかった」「美味しかった」という感想
- 催し物の「トリ」で、最後に大物をもってくる
- お店のお見送り、会計後の商品を店の外まで持っていく
例えば、上記。
あなたも、過去の思い出を聞かれたときのエピソードは、だいたい卒業間近や感情が強く動いたときではないでしょうか。
ピークエンドの法則は、開始と終了が明確なときに見られ、そのときの体験は、「快か不快か」は関係ありません。
問題点は、ピークとエンド以外で誠実な対応や重要な議論をしても、印象に残りにくい点が挙げられます。
【ピーク・エンドの法則】実験
冷水実験
A 60秒間、14℃の水に手を入れる
B Aのあとに30秒間、15℃の水に手をいれる
結果、不快な体験をした時間はBの方が長いにも関わらず、Bの不快度の方が低かった。
結腸内視術
60秒ごとに手術の痛みを数値として報告。その後、全体としての痛みを同様に報告。
結果は、手術の長さとは関係なく、ピーク時の痛みの数値が、手術全体の印象として残る。
騒音実験
A 騒音を8秒間聴かせる
B Aのあと、Aよりは不快感のない騒音を8秒間聴かせる
不快な体験時間はBの方が長いにも関わらず、Bの不快度の低かった。
上記3つの実験から、途中の不快感の強さは、最後の印象で操作可能であることがわかります。
【ピーク・エンドの法則】対策
個々のシーンで「どう感じたか」を考えます。もちろん、記憶には限界があるので、体験を逐一覚えることは不可能。
しかし、「これはこう感じた」を出来るだけ覚えておくことで、全体の総括が網羅的になります。
またしっかりと「不快な時間がどのくらいだったか」を把握しましょう。
もしかしたら、体験を提供する側は、最初と最後だけ意図的に盛り上がるようにし、全体の完成度を目眩ししているかもしれません。
「終わりよければ全てよし」では、消化不良が残るかもしれません。
何より、イベントを振り返った際にフワッとしたものになってしまいます。
【ピーク・エンドの法則】まとめ
エンタメはもちろんのこと、顧客満足において重要視されるのが、ピーク・エンドの法則です。
仕事をする意味が、「お客さんの満足を満たす」なら「どのように我々に好印象を抱いてもらうか」を考えることは避けられません。
また、プライベートの生活にもピークエンドの法則は、応用可能です。
デートから家族サービス、友人の付き合いまで、幅広く関連しているでしょう。
このように考えると、記憶の仕組みの1つでもある「ピーク・エンドの法則」は誰しも理解しておく概念かもしれません。
では、また。