こんな疑問に答えます。
結論から言うと違います。むしろ「足るを知る」からこそ向上心が増すと言えるでしょう。
この記事では、その理由について解説しています。
「足るを知る」についての詳しい解説と実践のための具体的方法は、以下の記事がオススメです。
ぜひ、最後までお読みください。
「足るを知る」についての誤解
「自分の今ある物に感謝して十分に満足する」。これが足るを知るの意味です。
しかし、これでは「身分相応に高望みをしなくてもいい。色々な欲は追求しても限りがないから諦めろ」という意味でも捉えることができます。
ただ、これで「足るを知る」は終わりません。続きがあります。
「強めて行う者は志有り」。現状に奢らず、不断の努力をする。そのような人は志を持ち、本質を見極めているので物事が長続きする。
一言でいうと、「今あるもの」について自分が肯定的に見るか、否定的に見るかの違いです。
肯定的:これで十分と思い、環境や才能を活かすことで自他共に成長する
否定的:満足できないが、手に入れるだけの財力やコネがないので諦める
現状に満足しているからといって、成長のために行動するしないはまた別問題です。
人間は本能的に楽な方向に流れる。さらに多くのものは手に入れることができないから、諦める。だからこそ、「足るを知る」は誤解される傾向にあり、実践が難しいのです。
「諦める」の本当の意味
そもそも「諦める」もやめる、断念することではありません。仏教用語の意味に照らし合わせると、つまびらかにする。明らかにする。という意味です。
物事の道理をわきまえて自分の願望が達成されない理由を明らかにすることで、納得して断念します。この思考プロセスを踏まないと悔いが残るし、納得できません。
自分の欲望を、なぜ達成したいのか、なぜ欲するのか。ここがはっきりしていないと終わりのないゴールに向かって歩むことになります。
「足るを知る」は成長にプラスになる
理屈としては単純です。
今あるものに感謝して行動すると、他人を思いやる余裕があるので、「謙虚に他人のために行動しよう」という気持ちが湧き上がるからです。
自分の中に渇望と虚しさを抱えてストレスのある状態で行動すると、イライラが募ります。空回りして、結果も思うように伸びない。
心に平穏ともしもの逃げ道があれば、心理的安全が生まれます。ストレスを抱えている状態とどちらが成長につながるでしょうか。
目をギラつかせ、心にやましいことを抱えて「くれくれ」と近づいてくる人に「施しをする」ほど人間は単純に行動しません。
毎年のお歳暮や手紙を贈っていただくから。又は仕事場でいつも労いの言葉をかけてくれるからこそ、人はお返しをしようとします。
よほどのことがない限り、自分→他人の順番は覆りません。今あるものに感謝して他人を思いやる余裕があるからこそ、回り巡って自分に返ってくる。
だからこそ「足るを知る」は成長や向上心に寄与してくれるといえるでしょう。
【足るを知るは諦めか?】まとめ
とはいえ緊張やストレスに突き動かされない限り、言い換えると「生存の危機」がない限りは人は強烈に動けない側面があることも事実です。またプレッシャーが大きいほど、「燃える」という方もいるでしょう。
自分に合うのは満足して進むか、追い立てられて進むか。大事なのは自分の成長や向上に向けて、どちらの選択肢が合うかを判断することです。
「足るを知る」は1つの手段、思考プロセスに過ぎません。あなたにとっての「足るを知る」が心に響くかどうかもわからないです。しかし、幸福を希求するときに避けられない概念だとは断言できます。
「あれもこれも欲しい」と思うあなたは、一度振り返って「今ある物」に視線を向けるだけでも、気持ちが落ち着くのではないでしょうか。
では、また。