takeするってことでしょ。それ以外に何かあるの?
こんな疑問に答えます。
相手から「奪うこと」を優先するテイカー。
ギブをネガティブにしてしまう彼らは、ギバーやマッチャーに対しての天敵であり、あなたの人間関係において厄介になる存在です。
「喰う喰われる」といったビジネスの世界においてはいざしらず、プライベートの関係でも「奪おう」とするテイカー。
できることなら避けたいテイカーですが、口が上手く、戦略的に寄ってくるテイカーもいるほど。
この記事では、そんなテイカーについて
- テイカーの説明と、その違い
- 特徴や見分け方、対処法
- テイカーをギバーにするためには?
以上について解説しています。
テイカーでは人生は成功しない。
ぜひ、最後までお読みください。
テイカーと、その他の違い
テイカーとは一言でいうと、常に与えるよりも多くを受け取ろうとする人。
また対の概念で、「与える人」はギバーと呼び、そのバランスをとる人がマッチャーと呼ばれます。
- ギバー:与える人
- テイカー:受け取る人
- マッチャー:バランスをとる人
ただし、注意してほしいのはテイカーであってもギブすることはあります。
人から取ろうとするだけではありません。
それでも、最終的な目的はあくまでも「テイク」にあります。
自分の利益が後になって返ってるとして、「手段」として相手にギブする。
テイクという目的のために、積極的にギブすることが有り得ます。
ギブ&テイクの関係を用いることには変わりないですが、ひたすら「テイク&テイクン」しようとする。
これがテイカーです。
テイカーの特徴
テイカーはイメージ的に冷酷で非情と思われるかもしれません。
しかし、ただ用心深く、自己防衛的である傾向にあります。
また、特徴は以下の3つに集約されます。
- 自己中心的
- 権力者や目上の人に取り入れられようとする
- 独創的
順番に見てきます。
自己中心的
テイカーは自分を中心に考える傾向にあります。
自分がした貢献に匹敵するか、あるいはそれを上回る見返りを相手に期待する。
決まった大きさのパイ(総額)からできるだけ多くの利益を自分のために奪おうとします。
また、上手くいっていない時に自分のプライドやメンツを守る傾向にあります。
「そんなの当たり前じゃん」と思われるかもしれません。
ただし、ギバーは違います。
ギバーは「長い目で見てよりよい選択をするためなら、さしあたって自分のプライドや評判が打撃を受けてもかまわない」と考えています。
テイカーは自分の行為が批判されていると感じたとたんに、忠告を受け入れる気になれなくなります。
自分がほかの人より優れていて、別格の存在だと考える傾向がある。
権力者や目上の人に取り入れられようとする
あなたの周りにこのような人はいませんか?
「部下に対して支配的になるけど、上司に対しては驚くほど従順で、うやうやしい態度をとる」
このような人は典型的なテイカーです。
有権者に取り入られるためにネットワークを広げますが、そこでは自分を偉く見せることに専念する。
そのネットワークも近い将来、自分を助けてくれそうな人に的を絞る傾向にあります。
独創的
イメージとしては無愛想な天才を思い浮かべると理解が容易です。
強気な話し方をする傾向があり、独断的、率直な性格を持っています。
そんなテイカーはユニークなアイデアを生み出し、反論をものともせず、それらを擁護するコツを心得ている。
自分の意見に絶対的な自信をもっているため、普通の人なら想像力を抑え込まれてしまう「社会的な承認」に縛られることが少ない。
自分の利益を大きくするために他人から知力、エネルギー、能力を奪います。
テイカーを見分けるには?
他人から知力、エネルギー、能力を奪うテイカー。
テイカーを見極めるために、人当たりで判断してはいけません。
人当たりの悪いギバーとして、無愛想だけど弟子思いの師匠がいるように、人当たりの良いテイカーがいることも事実です。
また戦略型テイカーもいます。
戦略型テイカー
持つ者に取り入るために、先を見越して、近々助けてもらいたいと思っている人に親切にするテイカー
そんなテイカーを見極めるコツは以下の4つ。
- レックを見つける
- SNSの写真の使い方や投稿を見る
- 主語の使い方を見る
- 影響を与えた人物を聞く
順番に見ていきます。
レックを見つける
レックとは一言でいえば、他者より自分が優れていることを示そうとする行動を指します。
オスの求愛行動から端を発し、転じて人によく思われたいアピール行動に使われました。
テイカーの「人当たりをよくしておこう」という思惑は節々に現れ、隠しきれない傾向にあります。
写真の使い方やSNSの投稿を見る
写真において、自分を過度に見せる傾向にあります。
多少の「盛り」なら誰しも意識するかもしれません。
しかし、フェイスブックでは実物以上に見映えのいい写真を投稿。
会社の年次報告書では、1ページを丸々自分の顔にしていたテイカーもいたほどです。
ある実験でテイカーのフェイスブックの投稿を全く赤の他人に見てもらいました。
その投稿は
- 押し付けがましい
- 自己中心的でもったいぶっている
- 使っている引用も、傲慢な印象を受けた
以上のように報告していました。
主語の使い方を見る
テイカーは主語の使い方で、「私たち」ではなく、「私」を多用しています。
プロジェクトを「私たち」が成功させた。
プロジェクトを「私」が成功させた。
どちらがより傲慢なイメージを持たれるか、あなたにもわかるでしょう。
自分のことを優れた人間とみなしているので、仕事においても給料が大幅に違うことを当たり前だと思っています。
影響を与えた人物を聞く
「あなたが影響を与えた人物は?」
この質問でテイカーは自分より目上、格上の人物を多くあげています。
「普通でしょ」と思われるかもしれません。
しかしギバーは自分より、影響力が小さい、有名じゃない、困っている人を挙げる傾向にあります。
この人は「自分が手助けをしていた」
この人は「俺が育てた」
「俺が育てた」と言う人を、テイカーが影響力を与えた人物として挙げるでしょうか?
テイカーの対処法
テイカーの対処法は個人とグループで分かれます。
個人
相手の真意を見極め、マッチャーとして振る舞うことで自己防衛する。
他者の利益と同時に、自分の利益もしっかり考える。
この2点が重要です。
グループ
評判情報を共有しましょう。要するに噂話です。
社会科学者のマシュー・ファインバーグによると「噂話は広く行き渡る、効果的で、安上がりな処罰の形態である」と述べています。
またそうすることで、他の人がテイカーに利用されることを防ぐことにも繋がることになるでしょう。
そしてグループではテイカーをギバーとして振る舞わせることも有効です。
- 人助けをする
- 親切を当たり前にする
- 仕事を手伝う
- 後輩にアドバイスをさせる
以上のことをしてもらいます。
しかし、ただ言っただけではテイカーは行動しないので、人目に晒してみることをおすすめします。
テイカー側にとっては、周りから利他的な善人とみられ、自分の評判が上がるからです。
テイカーをギバーに変えるには?
テイカーを「ギバーとして行動する」と宣誓させる。
そうすれば、思いやりを大切にし、実際に人の役に立つ誠実な人間になるだろうと思いますが、逆効果です。
ポイントとなるのは、信念や動機からではなく、行動から変えることです。
最初に人々の行動を変えれば、信念や動機もあとからついてきます。
これを認知的不協和と言います。
認知的不協和
人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表すこと
どういうことかというと、頭で思っていることと、実際の行動が違うことにストレスを感じるということです。
例として、街中のトイレで「きれいに使っていただき、ありがとうございます。」
この張り紙を見たことはないでしょうか。
汚く使っている人にとっては
「綺麗に使う」という暗示
「汚く使う」という現実
この2つの状況で矛盾が生じているために、その矛盾を解消しようと行動します。
これをギブ&テイクに落とし込みます。
外的な要因ではなく、自分の選択から人に与えていると、内面化させる。
そのことで与えることが自分にとっての重要な一部となるようにする。
そうすれば、テイカーをギバーとして変えることが可能になります。
【テイカー】まとめ
以上、テイカーの説明と特徴、その見分け方と対処法、ギバーへの変え方についてご紹介しました。
軽くまとめると
記事のまとめ
テイカーとは常に与えるよりも多くを受け取ろうとする人
テイカーは用心深く、自己防衛的な傾向にある
テイカーを見分けるにはSNSの投稿や写真を注意深く観察する
テイカーへの対処法は相手の真意を見極める、評判情報を共有する
テイカーをギバーに変えるには認知的不協和が有効
あなたがどのタイプにしろ、どれか1つのタイプで全て対処する人はいません。
どの局面でも臨機応変に対応するでしょう。
そんな中で「テイカーである」ことが悪い状況ではないこともあるでしょう。
(特に相手もテイカーである場合に)
それでも、あなたが損得勘定を抜きにして「ギバー」となる瞬間もあるはずです。
その瞬間をより長く、深いものにしていくことが重要なのではないでしょうか。
テイカー気質であった私も、そのように意識しています。
あなたもいかがでしょうか?
※ギバーについてはこちらの記事で紹介しています。
ギバーの特徴と成功するギバー、失敗するギバーについて解説しています。
より深い理解のために、この記事と、書籍『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』を併せてご覧になることをおすすめします。
では、また。