「これ、なくなったら困るかも」。そう思って手放せなかったものが、捨てた後も何も困らなかった。そんな経験をしたことはありませんか。
ミニマリストの多くが口を揃えて言うのが、「手放して困ったものは、ほとんどなかった」という言葉です。捨てる前は不安だったのに、なくなってみると拍子抜けするくらい問題がなかった。むしろ、なかったほうが気持ちよく暮らせるようになった、というケースが多いです。
この記事では、実際になくて困らなかったものを15個まとめます。それぞれ「なぜ手放せなかったのか」と「なくなって気づいたこと」もあわせて紹介しますので、片付けを迷っている方の参考になれば嬉しいです。
なくて困らなかったもの15選
テレビ
手放す前は「情報が入ってこなくなる」「退屈になる」と心配する人が多い。でも実際にやめてみると、スマホやパソコンで必要な情報や見たい番組も十分に得られる。
むしろ、テレビがなくなることで変化が起きる。なんとなく流していた時間が消え、自分のやりたいことに時間を使えるようになった、という声が多く聞かれます。部屋も広くなり、掃除もラクになりやすい。
ソファ
「くつろぐ場所がなくなる」と思われがちだが、お気に入りの一人掛け椅子やアームチェアに代替してみる。椅子の下はルンバやワイパーがスッと通るため、床掃除のストレスが少ない。
ソファは場所を取る割に、毎日フル活用している人は意外と少ないのではないでしょうか。手放すと部屋がぐっと広くなり、部屋がリラックスできる空間に変わりやすい。
食器棚・大型収納家具
収納家具は「物を整理するためのもの」のはずだが、あると物を増やす言い訳になりがちです。収納スペースが大きいほど、普通は空白を埋めたくなっていくので、物は増えていきやすい。
食器棚を手放して食器の数を絞ると、取り出しやすくなり、むしろ使いやすくなる。大型収納家具を処分すると部屋が広くなるだけでなく、「ここに収めなければ」という思考から解放されます。
来客用のモノ
「いつかお客さんが来たとき」のために取っておく。この「いつか」が曲者です。実際に使う頻度を思い返してみると、年に数回どころか、何年も出番がなかった、というケースも多い。
来客時は宿泊施設を利用してもらう、食器は普段使いのもので対応する、予定が決まっていたらレンタルを使うと割り切ると、使わない物を管理するストレスがなくなります。
電子レンジ
「料理ができなくなる」という不安が大きいが、実際には蒸し器や鍋で代用できます。温め直しにかかる時間は増えるが、その分「作り置きを減らして新鮮なものを食べる」ライフスタイルに変わる人もいる。
一人暮らしで料理の頻度が低い人や、トースターがある人は特に手放しやすい。
固定電話
スマートフォンがあれば、固定電話の役割はほぼカバーできます。月々の基本料金を払い続けているのに、ほとんど使っていない、という人は多い。
手放した後に「困った」という声はほとんど聞かれない。むしろ、セールスや迷惑電話が減ってスッキリした、という人のほうが多いです。
印刷物・書類の山
「重要かもしれない」という不安から捨てられない書類は多い。でも実際に見返すことは、ほぼありません。
保険・契約・税務関係などの重要書類は残し、それ以外は思い切って処分してみると、引き出しがすっきりし、本当に必要な書類がすぐに見つかるようになります。
読んでいない本・雑誌
「いつか読む」と思って積んでいる本は、多くの場合このまま読まれることはありません。持っているだけで「読まなければ」というプレッシャーをじわじわ感じてしまう人も多いです。
本は読み終えたら手放す、「今すぐ読みたい」ものだけ手元に置く、というルールにするだけで、本棚がすっきりします。
着ていない服
クローゼットの中に「もったいなくて捨てられない服」「いつか着る服」「高かったのに合わなかった服」が眠っていませんか。
着ていない服は、毎朝の「何を着るか」という選択を複雑にしやすい。使っている服だけに絞ると、朝の支度が早くなり、クローゼットを開けるのが楽しくなります。
使っていないキッチン家電
たこ焼き器、ホットサンドメーカー、ジューサーばぢ。たまに使うものは、よく考えると「ほとんど使わない」もの。
使用頻度の低いキッチン家電を手放すと、調理スペースが広くなり、毎日の料理がしやすくなります。
香水・化粧品の在庫
「まだある」のに新しいものを買い、使いきれないまま期限切れ、というパターンは多い。スキンケアや化粧品は、本当に気に入っているものだけを少数持つスタイルに切り替えると、毎朝のルーティンがシンプルになります。
もらいもの・景品・ノベルティ
タダでもらったから手放しにくい。でも、使っていないのに「もったいない」という理由で持ち続けているものほど、じわじわとスペースと気持ちを圧迫していきます。このとき、「自分で選んで買ったか」を基準にすると、判断がしやすくなる。
趣味の道具(熱が冷めたもの)
かつてはまっていたけど今はやっていない趣味の道具。「また再開するかも」と思いつつ、何年も放置しているものは、今の自分には不要な可能性が高いかもしれません。
手放してスペースが空くと、今本当にやりたいことのための場所が生まれます。
収納グッズ
100円ショップで買い揃えた仕切りや収納ボックス。使いこなせていないものも多くありませんか。収納グッズは「物を整理するための道具」だが、物を減らせばそもそも不要です。
「収納を増やして整理する」より「物を減らして収納を減らす」ほうが、結果的にすっきりするでしょう。
ベッドフレーム(マットレスのみにする)
ベッドフレームは部屋の大きなスペースを占領します。マットレスだけにすると部屋が広くなり、掃除もしやすくなります。
「低い位置で寝る」スタイルに慣れると、むしろ落ち着けるという人も多いです。床への抵抗感がなければ、導入を検討してもいいでしょう。
なぜ「手放せない」と感じるか
手放す前に「困るかもしれない」と不安になるのは、気持ちの弱さではありません。心理学的な理由があります。
消費者行動研究者のラッセル・ベルクは1988年の研究で、「人は自分の持ち物を自身の一部として感じる傾向がある」ことを示しています(Belk, 1988)。私たちは物を手放すとき、自分の一部を失うような感覚を覚えることがある。それが「捨てられない」感情の根にあります。
しかし逆に言えば、物が減ることで「これが自分に必要なもの」という輪郭がはっきりしてくる。何を持つかを選ぶことは、どんな自分でありたいかを選ぶことにつながるでしょう。
「なんとなく持っていた」に気づくとき
自分で選んだわけでも、今必要なわけでもない。ただ「前からあったから」「もらったから」「いつか使うかもしれないから」という理由で、ずっと手元に置いていた。
手放してみて初めて、それらが日常のどこにも登場していなかったことに気づきます。なくても生活は何も変わらなかった。それどころか、探す時間も、管理するストレスも、目に入るたびの「片付けなければ」という小さな圧力もなくなっていく。
手放す前に確認しておきたいこと
なくて困らないものは多いが、すべてを一気に手放す必要はありません。迷うものは、次の問いを使って判断する。「この1年で、実際に使ったか」。使っていないなら、来年も使わない可能性が高い。
「ない状態を具体的に想像し、困る場面が浮かぶか」。漠然とした不安ではなく、具体的な場面が思い浮かばないなら、手放せる可能性がある。
「再入手が難しいものか」。また買えるものなら、試しに手放してみる選択肢もある。焦らなくて大丈夫で、「なんとなくあるもの」から少しずつ見直していくだけで、暮らしは少しずつ軽くなっていくでしょう。
まとめ
ミニマリストがなくて困らなかったものには、テレビ・ソファ・大型収納家具・来客用の備品・使っていないキッチン家電・着ない服などがある。
手放す前は不安でも、なくなってみると「なんで持ち続けていたんだろう」と思うものが多い。物を持つことへの不安の多くは、実際に手放してみて初めて「取り越し苦労だった」とわかります。
今の自分の暮らしに本当に必要なものだけに囲まれたとき、空間だけでなく、気持ちにも余白が生まれるでしょう。
参考文献
Belk, R. W. (1988). Possessions and the extended self. *Journal of Consumer Research*, *15*(2), 139–168. https://doi.org/10.1086/209154