この記事では、人がいつまで経っても満足できない理由として「快楽の踏み車効果」という心理学の概念について解説しています。
その他に対処法についても記載しているので、ぜひ最後までお読みください。
快楽の踏み車効果とは?
快楽の踏み車効果
心理学においてどんな快楽でも、良いことがあっても、すぐにその状況に慣れて「もっといいことはないか」と更なる快楽を求め始める傾向
過度な欲望は、踏み車でいくら走っても前に進まないハムスターのように、永遠に辿り着かない目標を目指してひたすら走ることになりかねません。

なぜ、このような心理効果があるというと、一言でいえば遺伝子を残しやすくさせるため。人類の繁栄には無理にでもヒトを動かす必要性がある。
幸せに慣れてしまうと、「無理にやらなくてもいい」「苦役を自分からする必要がない」とラクな現状維持を選んでしまう傾向が高い。
また1万5000年前、人類は常に危険に晒されていた。現状に満足し、捕食や飢餓に何の対策もとらなければ、生存の確率はぐっと下がる。
そうならないために「足りない、満たされない」と喚起させる。危険だと思うからこそ、不安だと思うからこそ、次を考えて行動できるからです。
しかし、「快楽の踏み車」は幸せ、不幸せかどうかは気にしません。人の捉え方によりますが、「満足できない、足りない」と思う感情は一般的に不幸なものです。
快楽の踏み車効果への対処法
明確な処方箋は残念ながらありませんが、対処法や有効に活用する方法はあります。
「環境に慣れて次に向けての欲望が湧き出てくるのはしょうがない」ということは念頭に考えておきましょう。
対処法は以下の4つ。
- 今この瞬間に没頭する
- 小さな目標を達成していく
- 日々の日常を大切にする
- 「今が幸せか」を考えない
順番に見ていきます。
今この瞬間に没頭する
「今の積み重ねが将来の幸せを左右する」。この事実を念頭に今を長く感じるような没頭できる仕事、趣味を見つけていく。
小さな目標を達成していく
「まだ足りない、満たされない」を活用して、今の自分を成長させていく。
あくまで小さな目標がポイント。大きな目標を細かく砕いていき、「今、その目標に向けて何ができるか」を考える。今の延長線上に並ぶように設計するといいでしょう。
日々の日常を大切にする
日々の暮らしを後々振り返った時に「楽しかった」「苦しかった」「バカやってた」。感情はなんでもいいですが、「何もしてない」となることだけを避けていく。
コロナで出来なくなったこと、憚られることを懐古することが増えてきた中で、そこに「幸せな出来事」が埋もれていたと気づく人もいるのではないか。
例えば現在、ライブでの観客のレスポンスは、拍手やスティックバルーンの応援が主流です。
とはいえ、やっぱり声を出したい、肩を組みたいと思う方もいる。「普通にできていた当時は幸せだったな」。
このように考えていける物事を確証できないながらも続けていくことです。
「今が幸せか」を考えない
前述した項目と関わりますが、幸せが後々振り返って実感するものであれば、今が幸せかどうかを考えるだけ意味がないかもしれません。

というか考えている時点で幸せではない。
スイーツを食べて、「幸せ〜」と思わず口に出している状態はは心から沸き立つ感情で、悩んですらいない。ふと我に帰って「楽しい、充実してる」と思うところに悩みはありません。
【快楽の踏み車効果】まとめ
ヒトを強制的にでも動かすプログラムとして「快楽の踏み車」は存在します。それ自体は矯正できなくても、有効活用は出来ます。モノは使いようです。
「いつまで経っても満足しない」とそこで立ち止まるか、「何糞」と一歩で進むかで将来における不安には歴然とした差が生まれるのではないか。
「不安」は避けられないものとして、できるだけ減らす方法を日々模索していきます。
では、また。